《スペースロブスターP-81》1981
W4000
D13000

H8000

 

総重量25tの巨大機械彫刻。

神戸港に造られた人工島ポートアイランドにて開催された博覧会、神戸ポートアイランド博覧会(1981.3.20〜9.15)「テーマ館」で発表。作品設置後、それを囲うようにして建物が建てられたという、榎作品のなかでも最大・最重量級の作品である。

本作品が制作された1980年代には、ゴミや核の廃棄物を宇宙や海中に捨てるという計画があったという。そこで榎は、地球やさまざまな星が協定して、それぞれの星から出た廃材を宇宙空間に打ち上げ、それらゴミの集積から大きなゴミの星の誕生を想像した。やがて、ゴミで形成されたその星では生命が生まれ、次から次へと打ち上げて来られるゴミに困ってしまう。そこで、元の場所へとゴミを送り返すことになるのだが、地球から捨てられたゴミはひとつの乗り物として地球へ送り返される。水陸両用で、潜水も可能、宇宙でも飛ぶことができる、夢のような乗り物。それが『スペースロブスターP-81』である。

実際に使用されていた昭和初期の鉄道車両や船、電化製品などの廃材を榎忠自らの手で解体して部材を収集、制作された。

持つアーティストはおらず、“場をつくることも含めて発表する作品”の先駆けとなった。